あなたの何気ない一言や行動が人を傷つけ、人権を脅かす人権侵害になっている可能性があります。また、普段していることでも実は人権の侵害をしていたなんてことが多々あります。

ここでは実例をもとにそのような行為を未然に防止するためにご紹介をします。



あなたの近くでこのようなことが起きてませんか?
 
女性の人権問題
 
・ドメスティックバイオレンス(DV)
  ドメスティックバイオレンスは、家庭内における配偶者等からの暴行行為を言います。
・セクシャルハラスメント
  例えば、職場の上司や同僚から「女のくせに」「まだ結婚しないの?」等といわれたり体をスキンシップと言って触ったりする性的行為を言います。また、最近では、女性だけでなく男性にも起きている現実があります。
・ストーカー行為
  つきまとい等を反復して行う行為や無言電話、嫌がらせ等を行う事です。
子供の人権問題
 
・虐待行為
  家庭や学校で身体的な虐待、心理的な虐待、性的虐待、教育の怠慢・拒否等は子供の自尊心を傷つけるだけではなく子供の人権を傷つける重大な行為です。
・いじめ
  学校や地域社会でのいじめの行為は、卑劣極まりない行為で人権を侵害しています。昨今では、精神的に未熟な教師による陰湿ないじめも社会問題となっています。
高齢者の人権問題
 
・社会参加の機会損失
  「もうそんなに頑張らなくても」「年寄りの出る幕じゃない」等、年齢を理由に働くことや社会参加の機会を奪う事は人権の侵害といえます。
・虐待
  介護が必要な高齢者に対し、介護する人が介護に伴う疲労やストレスから虐待を行う問題が生じています。最近では、老人ホームなどの介護施設で介護師等による虐待行為も問題になっています。
・高齢者を狙った被害
  金融商品などの契約トラブルに巻き込まれたり、悪徳商法の犠牲になる等の問題が増えています。
障害者の人権問題
 
・バリアフリー
  例えば車いすを使用している人にとっては道路の段差や駅・建物のエレベーター・エスカレーターの不備は大きな障壁(バリア)になります。そのような日常生活や障害者に対する差別や偏見といった社会生活上のバリアを取り除こうという考え方です。
・ノーマライゼーション
  障害をもっているからといって特別視はしないこと。障害を持つ人も持たない人も互いを尊重し、支えあいながら共生する社会が当たり前の社会であるという考え方です。
同和問題
 
・同和問題(部落問題)
  被差別部落(同和地区)出身という理由だけで就職・結婚などさまざまな差別を受け、基本的人権を侵害されている重大な社会問題です。
アイヌの人々の人権問題
 
・民族の違いによる差別
  アイヌ民族ということだけで就職や結婚を断られる。過去にはアイヌの文化がすべて奪われアイヌの人々は貧困にあえぎました。このような不幸なことが二度と起きぬよう
 私たち一人ひとりがアイヌの人々の生活習慣や、伝統文化を理解し尊重することが大切です。

外国人の人権問題
 
・誤解と偏見
  外国人であるという理由だけで住宅の入居を断ったり就労に関し不合理な扱いを受けるケースがあります。また地域社会において閉鎖的な態度や差別を行なうことは、人権を傷つけることになります。国籍などで判断するのではなくその人自身を知ろうとする努力が大切です。

ハンセン病、HIV感染者等の人権問題
 
・ハンセン病
  らい菌による末梢神経や皮膚がおかされる病気ですが感染力が弱く遺伝病ではありません。しかし日本においては病気に対する誤解のため、患者に対し社会から長期にわたり強制隔離され差別や偏見を受けてきました。最近では、残念な事ながら未だ宿泊拒否などの問題が起きています。
・HIV、エイズ
  多くのHIV感染者・エイズ患者は私たちの誤った知識・情報により職場や社会で差別や偏見に悩んでいます。
犯罪被害者やその家族の人権問題
 
・二次的被害
  犯罪被害者やその家族は直接の被害だけでなく被害後に生じる二次被害(精神的や時間的・金銭的負担)に苦しめられています。その立場になって考え、支援していかなければなりません。
さまざまな人権問題
 
・刑を終えて出所した人に対する人権
  周囲の偏見から就職や住居もままなりません。またその犯罪者の家族ということだけで差別的な扱いを受ける場合があります。刑を終え社会復帰した人を偏見にとらわれず、社会が暖かく迎え入れる必要があります。
・性同一性障害への理解
  自分の性別に違和感を持ち、受け入れられない人がいます。人間にはさまざまな性愛があることを理解し、偏見を無くしていきたいものです。
・路上生活者(ホームレス) 
  住居の確保や就職が困難であるほか暴行を受けるなどの問題があります。
・その他
  個人情報の流出やインターネットの悪用によるプライバシーの侵害や名誉毀損などさまざまな問題があります。 

人権侵犯事件とは?
   「人権侵害」とは、法令に反する行為だけではなく、ひろく、憲法や世界人権宣言の基本原則である人権尊重の精神に反する行為をいいます。たとえば、強制強要(職場でいやがらせを受けて意思に反することをさせられた、親から結婚を妨害された、一方的に離婚させられたなど)、名誉・信用を傷つけられた、いわれもない差別を受けた、などです。
 人権擁護機関では、こうした人権が侵害された疑いのある事件(人権侵犯事件)について、侵害の事実があったかどうかを明らかにして、侵害があったときには、加害者や関係者に対して人権尊重の思想を説明し、理解してもらうことで、被害者の救済と侵害の再発防止に努めています(人権侵犯事件の調査処理)。
 なお、平成8年7月から「人権調整専門委員制度」が設けられ、人権侵害に起因して当事者間に紛争が生じている人権侵害事件については、人権擁護委員の中から指名された人権調整専門委員が当事者双方への説得・助言等を行い、また必要に応じて解決案等を提示するなど、より実効性のある解決を目指しています。

同和問題における事件
オール・ロマンス事件
   1951(昭和26)年、京都市の保健所の一職員が、雑誌「オール・ロマンス」に、被差別部落を犯罪と暴力の巣として描いた小説を発表しました。部落開放全国委員会は、この事件を生んだ背景には、被差別部落の劣悪な生活環境とそれを放置した行政の無策があるとして、京都市当局と交渉を行いました。その席上で、水道、下水道、消火栓の諸施設、道路の整備などの遅れている地域や、長期欠席の児童・生徒の多い地域が、京都市の地図上に記入されました。
 その結果、それらの地域は被差別部落と重なり、これを放置してきた行政の責任が問われました。この事件を契機として、行政も同和地区の生活環境の改善などに、積極的に対策を講じることになりました。

部落地名総鑑事件
   1975(昭和50)年12月、「人事極秘・部落地名総鑑」などの差別図書の存在が明るみにでました。
 これらの本は、同和地区の地名、所在地、世帯数、職業などをのせたもので、これを利用して、同和地区出身者を不採用にしていた企業や結婚に際して身元調査をしていた人もいました。このような図書は、国によって回収されました。
 その結果、分かっただけでも全国で約200社、東京でも約50社が購入していました。
 こうした本は、同和地区の人々の就職や結婚の機会をさまたげ、さまざまな差別を拡大するきわめて悪質なものです。

人権関連資料
  人権関係の条約など諸資料です。
◯ 世界人権宣言
◯ 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)
◯ 市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)
◯ 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約
◯ あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約
◯ 児童の権利に関する条約
  ※上記は全て外務省ホームページデータにリンクしています。
   
◯ 「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画
  ※上記は首相官邸ホームページデータにリンクしています。
   
◯ 人権教育・啓発に関する基本計画
◯ 平成13年度人権教育及び人権啓発に関する施策についての年次報告(概要)
◯ 人権擁護に関する世論調査(平成15年2月)
◯ 平成14年中の「人権侵犯事件」の状況について(概要)

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